美男美女の定義は時代と共に変わります。

現代ではジェンダーレスで、男女の差を意識することが少ないようですね。

平安時代はよく知られている通り、ふくよかな白塗りに目鼻立も細面。

ところが我が国の奈良時代というとあまり資料が残っていないのが現状なのです。

その少ない一例が、今年の正倉院展の目玉でもあった鳥毛立女屏風。

樹下美人図とも言われ、唐の時代を代表する美術品ですが、現存するこちらは国産なのだそうです。

女性の髪や衣装に白い鳥の羽で立体的に描かれた屏風は、離れたところからでも迫力を感じられるよう計算された、

まさに匠の技。

遣唐使からその美しさを聞いた人々は、その美しさを想像しながら心を踊らされたことでしょう。

この美女にはモデルがいたとのことです。

遣唐使の誰かが忘れられない彼の地の女性なのか、それとも当代名を馳せた采女の一人なのかはつまびらかではありません